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更新拒絶
賃貸借の期間満了にあたって、借地人から更新請求がなされた場合、あるいは借地人が土地の使用を継続する場合、地主としては、更新をさせないためには、遅滞なく異議を述べなければならず、その異議には正当の事由があると認められなければなりません。(借地借家法6条、借地法4条1項但書き、同6条)。
正当事由
どのような場合に、更新拒絶(異議)に正当の事由があると認められるのか。
旧借地法では、「土地所有者が自ら土地を使用することを必要とする場合その他の正当事由」と規定しています(借地法4条1項)。この条文からすると、地主が自ら土地を使用する必要性が重要であるようにも読めますが、そうではなく、「単に土地所有者側の事情ばかりでなく、借地権者側の事情をも参酌することを要し、たとえば、土地所有者が自ら土地を使用することを必要とする場合においても、土地の使用を継続することにつき、借地権者側がもつ必要性をも参酌した上、土地所有者の更新拒絶の主張の正当性を判定しなければならない。」(最大判昭37.6.6)とされています。
そして、地主、借地人いずれの立場であっても、その土地を利用する必要性が最も重要であるとされ、住居、営業等の生計の維持に不可欠であるかどうか、土地の高度有効利用、立退料の提供の有無・金額、代替地の提供の有無、借地人の転居の不利益の程度、過去に信頼関係を破壊するような背信行為があったか否か等の事情を総合的に考慮して決められます。
借地借家法
平成4年8月1日以降に成立した借地権については、借地借家法が適用されます。借地借家法は、旧法である借地法時代の裁判例の積み重ねから、条文自体を詳しく規定しました。つまり、地主及び借地人が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過、土地の利用状況、立退料の提供の有無・金額を考慮すると規定されました(借地借家法6条)。
正当事由の判断
実際には、正当事由があるとして更新を拒絶した地主が、借地人に対して、賃貸借契約の終了を根拠として建物の収去と土地の明渡を請求する裁判を起こし、裁判所で、この正当事由の有無が判断されることになります。