高齢者の賃貸借契約

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亡くなった場合

相続人がいない

戸籍を調査したところ相続人がいないことが判明することがあります。
また、相続人に通知を送って契約の解除と延滞している賃料の支払を請求をしたところ、相続人の全員が相続放棄をしてしまうこともあります。
相続人がいない、あるいは相続人がいたけれども全員が相続放棄をした結果相続人がいなくなったという場合、賃料の不払いを原因として賃貸借契約を解除して建物を明け渡してもらうためには、相続財産管理人を選任する必要があります。

申請から1カ月程度で裁判所は相続財産管理人を選任してくれますので、合意解約と建物の明渡の交渉、未払賃料の請求は相続財産管理人との間で行います。賃貸人も利害関係人として相続財産管理人の選任の申立をすることができますが、ただ、裁判所への予納金が高額なので注意が必要です。

相続財産管理人の選任手続を行わないで賃貸借契約の終了、建物の明渡をしてもらう方策については別のところでご説明します。

相続財産管理人の選任手続

・申立てができる人 賃貸人は利害関係人として申し立てができます。
・申立手続きの概要 相続財産管理人選任申立書と添付書類を亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所に提出します。添付書類の主なものは次のとおりです。
  亡くなった方の戸籍謄本(出生から死亡まで)
  亡くなった方の相続人がいないことを裏付けるすべての戸籍謄本(配偶者、子、親、兄弟姉妹、甥姪がいない、または亡くなっている)
  相続放棄の受理証明書
  財産関係の資料
  利害関係を裏付ける資料(賃貸借契約書など)
・申立費用
  収入印紙800円分
  連絡用の郵便切手(裁判所によって異なります)
  官報公告料4,230円
  予納金
【相続財産管理人の選任】(裁判所ホームページ)
詳細はこちら

相続放棄をどうやって知るか

相続人に解除や滞納賃料の請求をすると、相続人から、「相続放棄をした」、あるいは「これから相続放棄の手続をとる」、と連絡が来る場合があります。
そのようなときは相続放棄を申述(「しんじゅつ」。相続放棄の手続をとるということ)した先である家庭裁判所の名前、事件番号を聞き、できれば相続放棄申述受理通知書の写しを送ってもらうとよいです。
事件番号(令和○年(家)第○○○○号)が分かれば、賃貸人は、その家庭裁判所に「相続放棄受理証明書」の発行を申請をすることができるようになります。
賃貸人は利害関係人として相続放棄受理証明書を申請できます。

予納金

相続財産の内容から相続財産管理人が相続財産を管理するために必要な費用(相続財産管理人に対する報酬を含む)に不足が出る可能性がある場合には、裁判所に予納金を納める必要があります。(裁判所から指示が来ます)
相続財産管理人の選任をしなければならないことは時々ありますが、私の経験では東京家庭裁判所では予納金は100万円です。

予納金は戻ってくるか

相続財産管理人が管理を始めた結果財産があることが分かって、相続財産管理にかかる費用や相続財産管理人の報酬がそれで賄えるという場合には、予納金は戻ってきます。相続財産の管理の手間がそれほどかからず相続財産管理の費用や報酬を払っても予納金に余りが出る場合もあります。その場合は残金は戻ってきます。実際に予納金が戻るかどうかはケースバイケースです。

相続財産管理人の選任後の進行

相続財産管理人は、債権者・受遺者を確認するための公告をしたり、財産・負債の調査をして、不動産などの財産があればこれを処分し、最終的に債権者に分配します。そのような事務の中、建物の残置物の調査・確認を行って、建物の明渡をすることになります。

法定相続人の範囲

法定相続人の範囲は法律で定まっています。

 配偶者がいる場合・・・配偶者は常に相続人になります
 子がいる場合・・・配偶者と子(配偶者がいないときは子のみ)
 子がいない場合・・・配偶者と親(配偶者がいないときは親のみ)
 親が亡くなっているとき・・・配偶者と兄弟姉妹(配偶者がいないときは兄弟姉妹のみ)
 兄弟姉妹が相続人になる場合で兄弟姉妹がすでに亡くなっているとき・・・兄弟姉妹の子が相続人になる(代襲相続といいます。)

遺品の処理

不幸にして入居者が亡くなったとき、残された遺品はどのようにすべきでしょうか。
相続人の協力が得られる場合は、相続人に引き渡すことができます。問題は協力が得られない場合です。

故人との関係が疎遠で遺品の整理にも協力しないようなケースでは、相続人は賃料も支払わないことが多いと思います。賃料が支払われないならば、賃料不払いを根拠として賃貸借契約を解除することができます。賃貸借契約を解除したうえで、建物明渡請求訴訟を起こして、強制執行によって残された動産を撤去します。

強制執行

裁判を提起するとおよそ1か月程度で第1回目の裁判の期日が入ります。
相手が何も反論しなければ通常この最初裁判期日で審理は終り、それから1、2週間程度で判決が言い渡されるのが普通です。その後控訴されなければ2週間(相手に判決が届いてから2週間)で裁判が確定します。この勝訴判決をもって強制執行(建物明渡しの強制執行)を申し立てます。強制執行の手続は二段階に分かれていて、最初は建物に執行官が赴いて建物を明け渡すよう賃借人に催告だけ行います。これを「催告執行」といいます。賃借人が不在であっても、鍵を開けて実施され、明渡をすることを命じる文書を掲示します。次は日をおいて再び建物に赴き、その時は実際に建物の中にある動産を撤去してしまいます。これを「断行」といいます。

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